大の月の呼び方


小の月の呼び方 (2,4,6,9,11月) を にしむくさむらい <西向く士> 
    はご存知の方は多いと思いますが、

大の月の呼び方 (1,3,5,7,8,10,12月) は いさごのなみはじゅうおう <沙の波は十王>
    と云う事ができます。十王という文字を分解すると十、十二となる。一、三、五は「いさご」と読める。
    いさごを辞書で見ると砂・砂子・真砂・沙・沙子と書いてちいさいことと説明してある。
    一、三、五、七、八を通して読むと「いさごのなみは」(沙の波は)と読める。
    沙の波→沙波→しゃば→娑婆=俗世間=現世=この世
    一、三、五、七、八、十、十二月を全部通して読むと「沙の波は十王」と読める。
    この世はとても小さ世界で前述の通り十王の教えに従って生活をすべきだと、問うているようです。

    *では、十王とは死後の世界(冥土)で亡者を裁く怖い裁判官の役姿で現われる仏です。
      又、死者を通じて生きている我々を教え導く弁護士役の仏(如来・菩薩)がいます。
 

十王について説明します
忌 日 死後の世界で亡者を裁く十人の裁判官役を十王と云う 死後の世界で亡者を反省させ教え導く弁護士役の菩薩や仏(如来) 担 当 役 目 備 考
初七日
 
7日目
秦広王 不動明王 死者の殺生の
行為を裁く。
無益な殺生を
していなかった
かどうかなど
を書類審査する
冥土とは死後の世界で冥界とも云う。冥土(冥途)の旅は一方通行で49日(満中陰)で終わる。 死出の山へは冥土の旅の始まりで八百里程の険しい真っ暗な一本の山道をひとりで歩かねばなりません。
二・七日
 
14日目
初江王
(しょこうおう)
釈迦如来 懸衣翁と
懸衣嫗から
の報告で罪を裁く
懸衣翁(ケンネオウ)と懸衣嫗(ケンネウ)は醜悪な爺婆で懸衣嫗(=奪衣婆ダツエバ)が死者から衣類を奪って懸衣翁が受け取って 衣領樹(エリョウジュ)と云う木の枝に掛けその垂れ下がり方で生前の罪の重さを測り三途の川の渡り方が決まる。 三途(サンズ)の川を渡るには三通りの途(ミチ)がある
1:有橋渡(ウキョウト) :生前普通の人間だった人が渡る橋がある
2:山水瀬(サンスイライ):生前少し悪い人間だった人は浅瀬の川の中を渡る
3:江深淵(コウシンエン):生前悪い人間だった人は川の深い処を水に流されながら渡る
(地獄の沙汰も金次第で渡し船があり六文で渡してくれる。乗り物あるのはここだけで、後は徒歩で行くしかないのでお金は要らない) 賽の河原もこの三途の川にある。
初江王に「地獄行き」と裁定されて、申し開くが出来なくても「現世に残っている家族が追善供養をしてくれると思いますので、寛大な判決を… 」で7日の猶予が貰える。
三・七日
 
21日目
宋帝王
(そうたいおう)
文殊菩薩 猫と蛇を使って
死者の生前の
邪淫の罪を
犯していない
かを裁く
五戒
1:不殺生戒:妄りに生き物の命を奪ってはならない
2:不倫盗戒:他人の物を盗んではならない
3:不邪淫戒:淫らなセックスをしてはならない
4:不妄語戒:嘘をついてはならない
5:不飲酒戒:酒を飲んではならない
「遺族が追善供養をしてくれると思います」と申し出れば更に7日の猶予が貰える。
四・七日
 
28日目
五官王 普賢菩薩 死者の生前の
身体的行動と
言動活動を調べる
秤があり、
生前の事が一目
で読み取れる
「遺族がきっと追善供養をしてくれると思います」と申し出れば更に7日の猶予が貰える。
五・七日
 
35日目
閻魔王 地蔵菩薩 浄玻璃の鏡で
死者の生前の
悪行を全て
再現して裁く
閻魔王のみインド出身で残り9人の王は中国出身です。浄玻璃の鏡とは水晶でできた鏡で現在のビデオと思えばよく、 生前の大小の罪を全て再現されるので反論の余地が全く無い。遺族の追善供養があれば更に7日間の猶予を貰える。
六・七日
 
42日目
変成王
(へんじょうおう)
弥勒菩薩 五官王と
閻魔王の
報告に基づき
審査する
ここ迄6人の裁判官は死者に極刑を科したくない。死者の方からも「もう暫らくの猶予を…」と願い出てくる言葉に便乗して順送りにしてきた。
49日目の今日六道の何れかに生まれ変わらなければならない。全く同じの六つの鳥居が順不同に配置されて、その鳥居は六つの世界の入り口となっている。
死者にに選ばせて行かせ、選んだ鳥居が来世の入り口になっている。
1:地獄道
2:餓鬼道
3:畜生道
4:修羅道
5:人 道
6:天 道
それは冥土=冥土の終わりであり来世の始まりでもある。
満中陰
 
49日目
泰山王 薬師如来 最終判決 その気持ちは次の泰山王でもしかり「お次にどうぞ…」と順送りしたいが49日が経過して未決のままでは許されない。そこで死者に自らの運命を選ばせる方法をとることで最終決着をつける。
百箇日
 
100日目
平等王 観世音菩薩 百箇日目に
再審をする
裁判官
49日目に死者は冥土の旅が終わり来世の六道の何れかに変わっているが、不幸にして地獄・餓鬼・畜生の世界に再生した者がいるかもしれない。その後の遺族の津善供養の功徳によって地獄・餓鬼・畜生の世界から救い出してやるのが任務
一周忌
 
一年後の命日
都市王 勢至菩薩 一周忌に再審
をする裁判官
一周忌経過した時点で追善供養があっていたら、地獄・餓鬼・畜生の世界から救い出してやるのが任務
三回忌
 
二年後の命日
五道転輪王
(ごどうてんりんおう)
阿弥陀如来 三回忌に再審
をする裁判官
三回忌が最後のチャンスでこの後遺族の追善供養があってももう手遅れ。それぞれ再生した六つの世界で自分の力で一生懸命いきていかねばならない。