朝ぼらけ第87号 (平成17年5月15日)---三野 紀雄 君投稿

恩師は、いま・・・ シリーズ第28回     
福 高 生 は凄い!

高11回 三野 紀雄  


福高生は凄い!
  人は出会いや遭遇で胸が震えるような感動を覚える時がある。そして、その感動で成長していくと云われている。福高に15年もの長いことお世話になることが出来たのもその出会いと遭遇によって、私自身、少しは教員らしくなったからではないかと、凄い生徒たちに感謝しています。
  赴任して3カ月位して、教育委員会の偉い人に、前任校の生徒とどう違うかと質問を受けた際、福高生は積極性がありますと答えたことを覚えています。ところが、積極性だけではなく”アソビ心”を持っていると思うようになりました。”アソビ”とは、一つは余裕。それに積極性ではないかと。また、それに”遊び”を加えても良いのでは無いだろうか。そのことは、生徒たちが行事を踏む毎に大きくなって行くことで良く判った。そして行事が伝統の上に積み重ねられて段々重くなっていった。
  赴任した年の−体育祭−。五月位から企画が始まり、綿密に計画が立てられていくのです。一週間程前から”砂出し”が始まる。是には驚きました。トラックを作るのに、最初竹箒、次に棕櫚箒で数日をかけて砂をだしていく。これでは、グランドが硬くなって、練習に差し支えると反対をしたのですが、毎年やっています。今年もします。砂が無くなって、そこに石灰を水で溶いて、ジョロでラインを引いて行く。しかも、前日の夜中に徹夜で。当日、生徒達がグランドにでてくる頃には、石灰が乾いて真っ白のラインが。体育館の上からその様子を見ると、一幅の絵を見るような見事な会場が出来上がっています。次年度からは私が先頭に立って準備を進めたのは言うまでもありません。私が彼らに教えられ成長したのだと思います。

『宿命のライバル修猷館との27年ぶりの決勝。前半、先取点を取られ苦戦を強いられながらも、後半、地力を発揮して逆転優勝。雑草の如き福高魂花と咲く。』  六年ぶりの古豪の復活に全国の注目が集まる・・・・・福高50号より
  部の顧問として着任して、今年は!今年こそは!の思いで早く花園に戻らねばと考えていました。部員も福高生です。毎年、選手達が目標に向かって、真面目に真っ向にタックルをするのを見られて、故南川先輩は、よし俺がグランドに出ようと、花園に戻る2年前から毎日指導に来られた。5年間、部員が培った成果が修猷館との試合になったのです。連綿と続く先輩と後輩、それにOBの監督これが福高です。この年から、三年連続で花園へ行きます。

高37回卒荒木昌夫君の大怪我
  昭和59年8月、全国大会を目指して恒例の湯布院での夏合宿、FBをしていた荒木君が、練習試合で頚椎骨折という大怪我をしました。チームのキーマンとしての活躍する良いプレーヤーでした。私や監督、部員皆の願いも届かず車椅子の生活となったのです。目標に向かって続く、合宿中でのことでした。

  勉強に於いても部活に於いても福高の生徒は、毎日がドリームカムトゥルーなのです。それは、彼らの持つバイタリティー”アソビ”があるからだと思います。今でも、多くの先生方と酒を酌み交わす度に福高は凄いですねと話しています。だから私が務まったんだと。