キューバ(CUBA)
キューバという国を初めて知ったのは、確か社会科の授業で使った地図帳だったと思う。当時はまだ自由主義経済と社会主義経済の対立があって世界が大きく二つに分かれており、地図帳にその構図が色分けされて載っていたのだが、ソ連を衛星のように取り囲んだ共産圏と一線を画し、アメリカの南方に流れ星のごとく飛び散った小国は赤く塗られた色のせいもあってかやたらと目立っていた。アメリカと仲が悪くて、カストロという独裁者が権力を握っていて、砂糖キビが主産業である、当時はこの程度の認識だったと記憶しているが、ソ連を始めとする共産圏が次々と崩壊する中、相変わらず体制を維持し続け、アメリカとの仲は相変わらずで、北朝鮮と友好関係にある頑固でちょっと怖そうな国に行って参りました。
<ハバナ市内の風景>
建物はハッキリ言ってボロイ。やはりアメリカの経済制裁による物不足の影響は予想以上に大きいのであろうか?殆どが1900年代前半のものと思われるが、タイムスリップした感覚に囚われ、古き良き時代といった郷愁を呼び起こす街並。
<エルネスト・チェ・ゲバラ>
革命広場の側にある内務省の建物で、壁に描かれているのは有名な革命家でカストロの同志だったチェ・ゲバラ。夜にはライトアップされると聞いていたが、自分が見にいった時は残念ながら真っ暗だった。。。これも経済制裁の影響なのか?と分からないことは全てアメリカのせいにしてしまっているが、今でも人気の高いチェ・ゲバラ、マーケットではグッズも色々売られており、ワタクシもTシャツとカレンダーを購入。あと、現在では流通していないゲバラの3ペソ紙幣もゲット!
<バラデロ>
ハバナから車で約2時間のところにある有名なリゾート地。海はメチャ綺麗だった。ただ、物価が上がり過ぎてしまった為、キューバ人には敷居が高くなり過ぎ、現在は観光客のためだけのものになっているらしい。トップレスが数人いたが全部おばさんだったのは残念。
<バス>
分かりづらいですが、後ろまで繋がっております。真ん中の部分が凹んでいるため、カメージョ(スペイン語でラクダという意味)という愛称で呼ばれているそうな。いつ見ても超満員。
<タクシー>
いかにも南国風といった趣のある簡易タクシー。ココナッツをイメージしていてその名もココタクシー、ただ自分の目には何故かカタツムリに見えた。昼間は風が心地よいが、夜は結構寒かったため風をモロに食らって凍えてました。値段は交渉制。ちなみに、ちゃんとしたタクシーも勿論あります。
<只今修理中>
建物もボロイが、車も負けじとボロイ。こういう場面には何度も遭遇。噂には聞いていたが、日本の車検では決してパスしないようなクラシックカーが道端に溢れかえっていた。騙し騙し乗ってるといったところでしょうか。
<モヒート>
キューバの代表的なカクテル。物の本によれば、ラムを原料とし、レモン果汁、ソーダ水、砂糖、氷、そしてイエルバブエナという種類のミントを入れて、ミントをすりつぶしてステア(棒でかき混ぜること)して出来上がり、とのこと。ちょっと不思議な味ですが結構美味いデス。日本でもメニューに載っている店はあるようなので興味ある方は一度お試しあれ。
<フローズンダイキリ>
ヘミングウェイが行きつけだったラ・フロリディータというバーにて。一番端の席がヘミングウェイの指定席だったそうだが、現在はロープで仕切りが設けてあり座れなくなっており、そしてその席のすぐ側の壁にはヘミングウェイとカストロのツーショット写真が飾ってありました。余談ですが、松田優作の「YOKOHAMA HONKY TONK BLUES」という曲の中に「ヘミングウェイなんかにカブレちゃってさ、フローズンダイキリなんかに酔いしれてた」という歌詞がありマス。
<ハバナクラブ15年>
キューバの酒といえばハバナクラブ、砂糖キビを原料にしたラム酒である。3年、5年など数種類があり、値段は大体10ドル弱程度なのだが、この15年モノはキューバでしか入手することが出来ないシロモノで、値段も飛び抜けの85ドル。甘すぎるため、カクテルには向かないらしい。
<野球>
キューバで一番人気のあるスポーツは野球。海外に行くと道端で遊んでいる子供は大抵サッカーをしているが、この国では野球だった。左の写真は野球観戦に行った時のもの。チャンスの時に巻き起こった口笛での応援は凄く雰囲気があって良かった。試合はかなり大雑把な印象を受けたが、身体能力の高さは流石といったところ。入場料は席によって分かれていて、外国人は1、2、3ドル、キューバ人は1、2、3ペソ。ちなみに建前上1ドル=1ペソとなっているが、実際1ペソは1ドルの20分の1くらいの価値しかないらしい。アメリカと敵対関係にありながら外国人は米ドル払いというのが面白い。
<チビっ子ボクシング大会>
10〜12歳の子供達によるボクシング大会。子供のケンカみたいなものもあれば、さも当然のようにスウェーバックをやってのける子まで色々いましたね。一番盛り上がったのがこの試合。両選手の母親が熱い声援を送っていたのだが、試合後熱くなりすぎた母親同士が罵り合い、最後は取っ組み合いにまで発展。。。
<ボクシングジムにて>
小さい子供もトレーニング、というよりジャレてる感じですか。ただ、小さい頃から競技に親しむというのはやはり大きい。日本だと余程のボクシング好きの親の影響でもない限りそういうことは皆無と言ってよく、当然多くは野球やサッカーに流れることとなる。空手や柔道のように道場が全国に点在し、頻繁にボクシング大会(勿論安全に留意し早目のストップを心掛ける必要あり)が開かれるようになれば、粟生や亀田三兄弟のような逸材がもっと出てくる可能性はあると思うのだが。。。
<マクンバ>
ハバナの人気ディスコ「マクンバ」にて。結構人気のミュージシャンらしいが、パッと見、B-21かと思ってしまった(左から、ヒロミ、デビット伊東、Mr.チン)。キューバといえば音楽の国。ここ以外にも幾つかライブに行ったが、どれも呆れるほどに歌が上手い。日本人で対抗しうるのは〜?と常に考えていたが、全く浮かばなかった。声、音感、リズム感、どれを取ってもケチの付けようがなくて、もう日本人に生まれた時点で負け!って感じ。。。
<キューバのお姉ちゃん>
左&上ともにマクンバにて。キューバのお姉ちゃんっつーのはビックリするほどスタイルが良い。やはり小さい頃からサルサを踊っているのが効いてるのか?これは他の国でも認識されているらしくその後メキシコに立ち寄った際、バスの運転手と話していて「キューバからの帰りだ」と言ったら「アソコの姉ちゃんはスタイル抜群だよなあ。うへへ〜。」最後の「うへへ〜」は嘘だが、まあでもそんなニュアンスでしたね。とにかく圧巻だったは上の写真で、ミュージシャンが煽ると前列にいたお姉ちゃん達が一斉に腰をグルングルン(表現が稚拙で申し訳ない・・・)と回し始めたこと。これが半端じゃない回しっぷりなのよ。フラフープをやらせたら一生回し続けるんじゃないかと思えるほど。動画があればUPしたいくらいなんですけどね。
<ヌルミス夫妻?>
泊まったところは初日だけホテルで、後はカサ・パルティクラールという自宅の部屋を貸し出す民宿というか下宿というかそういうところに宿泊してました。写真右が世話をしてくれたヌルミスさん。スペイン語しか通じなかったがいい方でした。左は夫なのか最後まで分からなかった。キューバ人は再婚、再々婚は当り前なんだそうな。
<エディ氏>
キューバの旅でたまたま知り合った人。クラブ歌手をしている日本人の彼女がいる(いた?)とかで、ゆっくり話せば日本語はかなり理解出来るレベル。ライブに連れて行ってくれたり、ボクシングジムの場所を教えてくれたり、ゲバラの3ペソ紙幣を手に入れるのに骨を折ってくれたりと何かとお世話になりました。金は要求してこない代わりにメシを奢ってあげたりしたが、ギブ・アンド・テイクは釣り合っていたし、彼と知り合えたのはラッキーでしたね。
共産主義=何か怖い、という先入観があったこともあり恐る恐るの旅だったが、いざ行ってみると予想以上にいい国であった。フレンドリーでいい人も多かったし、女性は綺麗な人が多いし、治安も良い。ただすでに御年80近いカストロが亡くなれば、アメリカにとっては目の上のタンコブの存在だけにちょっかいを出してくるのは間違いないでしょうね。もしキューバに興味がある方がいましたら、カストロ存命中に行くことをオススメします。