香港国際マラソン

香港国際マラソンを走ってきました。東京マラソンの倍にあたる7万4000人が参加ということでどうなるんだろうと思っていましたが、運営もスムーズで無駄がなく(EXPOもないようだったが・・)いい大会だったと思います。

レースコンディションはかなり良かったです。気温は20℃弱くらい。天気は終始曇りで、心配していた大気汚染も特に咳き込むこともなく、湿度も90%くらいだった割には涼しい風も吹いていて特に気になりませんでした。

コースはやっぱりタフでしたかね。またコースが狭かったり、人が多かったりで走りにくい箇所もありました。アップダウンについては、急坂があるわけでもないので海底トンネルまでは何とかなりましたが、香港島に渡ってからは結構脚にきてキツかったですね。。最後はやっぱり歩いてしまって、「完走」とはなりませんでしたが、一応辛うじて自己ベストを更新できたので満足したし、自信にもなりました。フラットなコースだったらどれくらいのタイムが出たかなと思わないでもないですが、それは考えまい。。






レース当日は4:20起床。寝つきが悪くてもう少し寝ていたい気分だったが、ここで寝過したら最悪なのでノロノロと起き上がり、朝食を摂りに外に出た。ホテルはスタート地点の目の前、既に人が集まり始めていた。眠らない街のイメージのある香港だが、意外と24時間営業の飲食店はなくてマックくらいしかない。それは前日に確認済だったので、冷蔵庫の中で冷え切っているおにぎりを2つコンビニで買ってきて一旦ホテルに戻った。

5:40に準備をして外に出た。荷物預けも速やかに終え、アップをする。7万4000人と参加者数は多いものの、10kmレースの3万5000人はスタート場所が異なり、フルマラソン(ちなみに1万8500人)とハーフマラソンもそれぞれ3組、計6組に分けてスタートするので、大混雑で身動きが取れないといったこともなく、運営は極めてスムーズである。

6:10に目標タイムの速いチャレンジ組がスタートしていった。25分後の6:35が自分の組(目標タイム4〜5時間)であるが、思ったより寒くもないので、トイレでホテルに戻ったついでに長袖のアンダーウェアを置いてきた。上は参加賞のTシャツ1枚だが大丈夫そうである。ゾロゾロとスタート地点に集まって、カウントダウンをしてスタート。前日受付で日本事務局のスタッフから急いで並ばなくても大丈夫ですよと聞いていた通り、それ程急いで並んだわけでもなかったが号砲から2分程度でスタート地点を通過した。

尖沙咀を6:35にスタート。7:00が日の出なので、まだ真っ暗である。まずは目抜き通りであるネイザンロードを佐敦、油麻地、旺角と北上する。スタート直後ということでランナーも沢山いるし、タフなコースとのことなので無理せずに走り、スタートから1kmを6”40、6”49とかなりゆったりとしたペースで入ってしまった。旺角で左折し、ハイウェイに向かう。その途中、立ち小便多数の場所があった。東京マラソンの新宿ガード下みたいなものか。どこにでもあるんですな。5kmは31”51で通過した。

ハイウェイに突入。5〜10kmは高低差の資料を見るとここで50mUPすることになっている。ここでいかに力を使わないかが重要だ。ただ確かに上ってはいるものの、思ったよりゆるやかで大したことはない。と思っていたら最初の大橋(ストーンカッター大橋)の手前でなかなかの坂道が姿を現した。無理しない無理しないと言い聞かせながら坂道を上って10kmを通過。この間は全てキロ6分オーバーで、1時間の通過タイムは手元の時計で1”02”17だったが、ラップタイムをちゃんと計測してくれている気配がなく、大丈夫かいなと不安になった。

巨大なストーンカッター大橋を渡りきって青衣島に入ると、今度は長いトンネル(南湾トンネル)が姿を見せた。色々変化があって面白い。トンネルの中はやや蒸し暑く、アンダーウェアを脱いできて正解だと思った。トンネルを抜けると今度は涼しい風が体に吹き付け、心地よさを感じた。湿度は90%くらいあるはずだが、天気が曇りということもあって気にならないし、懸念していた大気汚染も大丈夫で、レースコンディションはかなり良い。15kmは1”32”37で通過した。

空港やディズニーのあるランタオ島に渡るチンマー大橋を渡ると見せかけてUターン(以前のコースでは渡っていたらしい)し、今度は新界へ繋がるティンカウ大橋へ。ここは一車線しかなくて少々走りにくいが、ここを越えれば下り基調に入るのでもう少しの我慢である。20kmは2”03”04で通過。過去2回のマラソンと比べて3分以上遅いが20kmまでは細かいラップタイムは気にしないことにしていたので、已む無しである。脚は少々痛くなってきたが、ここから如何に挽回するかである。

ハーフは2”09”3、今度は長青トンネルに入る。明らかに下りになった感があり、ペースも1キロ6分を切るペースに戻すことが出来た。ちなみにトンネルを抜けるところでクリームのようなものを手に塗ってタッチするように手を差し出しているスタッフがいた。これはレース前日にTVを見ていたら、ニュースで香港マラソンを取り上げていて、脚にダメージを負うので、クリームを膝などに塗りましょう的なことをやっていたやつだ。どんなものかちょっと気になったが折角ペースが上がってきて立ち止りたくなかったので、ここはスルーした。

25kmを通過するも調子は悪くない。これからどんどん挽回するぞと思うも、28km辺りで急に他のコースから数多くのランナーが合流してきた。これは恐らく後発のハーフマラソンのメンバーでは。。目標タイムも3時間程度のはずで、言っては悪いが結構遅くて、一気に走りにくくなってしまった。ちょっとムキになりながら右に左にコースを変えて隙間を縫って抜きまくる。30kmは3”01”32で通過、過去2回のタイム差もかなり縮まってきた。

30kmを通過。これまではここで一気にペースが落ちてしまっていたが、今回はまだまだ大丈夫である。そして最大の名所である海底トンネルに突入した。皆テンションが上がるのか至る所で叫び声が聞こえてくる。自分も負けじと、うおーっ!と声を上げる。トンネル内で迎えた35kmは3”31”16、ここで遂に過去2回のタイムに追いつき、逆に5分以上のアドバンテージを得た。自己ベストは勿論だが、これまで歩いたり立ち止まったりして出来なかった「完走」も見えてきた。

海底トンネルを抜けるがまだ上りは続く、なんとか頑張って踏ん張るも、だらだらと続く登り坂に遂に脚が悲鳴をあげてしまい、37km付近で遂にストップ、歩いてしまった。ここからはキツかった。香港島に渡れば平坦なコースと思いきや、意外と高架があり全く楽をさせてもらえない。上りは割り切って歩くことにしたが、最後1kmちょっとになってラスト頑張るぞと思ったところでまた上りが来た時には心が折れそうになった。しかし、時計を見ると貯金も使い果たし自己ベストも黄色信号がともってきた。しかし、最後1kmの応援は熱狂的で力をもらい何とか自己ベストでゴールすることが出来た。

アップダウンがあるのでタイムを狙いたい人にはお勧めは出来ないが、景色が目まぐるしく変わるし、変化があって面白いコースなので、走り終わった後の達成感は結構あった。また香港は活気があって見所も多い街なので、旅行も兼ねて行くのは楽しいと思う。そういう意味ではお勧めです。


※フィニッシャーズメダル




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