ネパール(NEPAL)

 ネパールといえばヒマラヤ山脈、というよりあまりのスケールの大きさにむしろヒマラヤ山脈にネパールが従属しているような錯覚に陥るほどである。ということで?2泊3日のヒマラヤ山脈トレッキングに行ってきました。メンバーは、宿泊していたゲストハウスの専属ガイドのネパール人Bednidhiと、同じくゲストハウスの宿泊客である香港人(男)と日本人(女)のカップル、そしてワタクシの計4人でした。





初日・・・まずはゲストハウスのある街ポカラ(標高800m)からトレッキングスタート地点であるナヤプル(1100m)までタクシーで移動して、ここからトレッキング開始。昼食まではお散歩のようなコースで楽勝だったものの午後からは急激な勾配が姿を現した。延々と続く上り階段、そして照りつける太陽。寒さ対策のために服を着込んでいたのだが、あっという間に野球拳の敗者のごとく次々と衣服を脱いでいく羽目になった。四方を見渡すと当然ながら全て山、そして何もこんなところに住まなくても・・・という辺鄙な場所にポツンと家屋が見えるのが印象的である。そうこうするうちに、ようやく夕方にこの日の宿泊地であるガンドルン(1900m)に到着した。宿泊先は山小屋みたいなところを想像していたのだがホットシャワーも使える小奇麗な宿であった。夕食前にはトランプゲームで盛り上がり、食事後はトークタイム。主に香港人(DonDokoDonの山口智充に似ているので心の中でDonDokoDonと呼んでいた)とガイドが話していたのだが、会話は当然ながら英語。4人の中で飛び抜けて語学力が劣るワタクシは単語を拾いながら話の内容を必死に想像するという作業に追われてしまった。まあ、リスニングの勉強になったし、話の内容もカーストや数年前の皇太子銃乱射事件など興味深いものではあったのだが。それにしてもDonDokoDonはともかく、ガイドのBednidhiはどこで英語をマスターしたのであろう。ネパールの教育事情はそれほど良いものではないはずなのだが、はやり食っていくために死に物狂いで英語を覚えたのであろうか?

左:交通手段は自分の足、若しくはロバしかない。篭に大量のペットボトルを入れて歩いている人とも結構すれ違った。大変だ。。。この人達が運んでいるのは鶏です。
右:初日の宿泊先。このホテルの材料もせっせと徒歩で運んで来たのであろうか。


















二日目・・・この日がトレッキングのハイライト。標高が上がるにつれて徐々に空気が冷たくなる。途中ジャングルのような道を進み、更には強烈なUPDOWNなどなかなか起伏に富んだコースである。たまに山賊が出るそうだが頷けるものがあります。と、ガイドが立ち止まり、壁にスプレーで書かれた文字を指差した。「Yankee, Go to your home! maoist」。で、出た!マオイスト(毛沢東共産主義者)だ〜!現在の王政に反対し政府相手に武力闘争を繰り広げているグループで、この近辺には多く潜伏しているらしい。基本的に外国人には手を出さないらしいが、寄付を強要するそうな。ただ金額は定額で領収書もくれるので2回払う心配はないらしい。良心的なカツアゲといったところか?マオイストの影に怯えながら更に歩を進めると所々に雪が目につくようになり、そこからアッと言う間に辺り一面雪景色となった。そして瞬く間に霰(アラレ)が振り出すとそれは直ぐに見たことも無いビッグサイズの雹(ヒョウ)に姿を変えた。この目まぐるしい展開は何なのだ?この日は丁度ヒンドゥー教の神様の中でも一番人気のあるシヴァの神様が降臨すると言われているお祭りの日。シヴァの神様が怒っているのか?それとも遊んでいるのか?と冗談を言いながら雹が治まるのを岩陰で待つ。ようやく普通の雪に戻り、やっとの思いでデオラリ(3200m)の宿に辿りついた。ここは昨日と違って電気も通ってない文字通り山小屋で、中には韓国人のグループがいた。食事を済ませた頃には雪はすっかり止んでおり、外に出ると物凄く綺麗な星空が広がっていた。自分の中ではモロッコのメルズーカ砂丘に次いで二番目の美しさである。フッと横を見ると韓国人グループの一人が星空の写真を撮っていたので聞いてみると、彼の中でもNo.2でNo.1はオーストラリアの砂漠で見たモノなのだそうだ。ちなみに、今日のお祭りである「シヴァ・ラートリー」の日は何とシヴァの神様の贈り物ということでドラッグがOKらしい。ガイドのBednidhiが「今日はお祭りだから」と言って、ハシシやマリファナを勧めてきた。郷に入りては郷に従えという言葉もあるし、無下に断るのも失礼かなと思いつつ。。。以下略

左:二日目の宿泊先。まさに山小屋デス。
右:ガイドをしてくれたBednidhiとその息子。トレッキング前日に彼の自宅にて撮影。子供はカメラを向けるまでは満面の笑顔だったのだが・・・。



















三日目・・・早起きして日の出を見た後、出発。この日はひたすら山を下って帰るだけである。昨日からそうだったがカップルが遅れ気味である。一方ワタクシはマイペースで自分勝手にドンドン進む。そして景色のいい場所があるとそこで休憩しながら後続が来るのを待つという非常に楽な展開となった。しかし山というのは不思議なところである。普段、挨拶とかは大の苦手なのだが、すれ違うトレッカーと挨拶を交わしたりこれから先の情報をお互い交換し合ったりというということがとても素直に出来てしまうのである。文明の進入を拒否するこういう場所では自然とカタルシスを感じてしまうのでしょうか?心配していたマオイストとも遭遇することなく、難関の高低差600mの急激な階段をクリア(これを上るのもキツイだろうが、下りも相当ハード、これのせいで筋肉痛になった)、途中から降り出した雨を受けながら岩を飛び越えて川を横切り、ひたすら歩く。ここまで来ると景色もこれまでと比べて迫力を失っているし見るべきものは特にない。黙々と歩き続け陽もドップリ暮れた18時頃になってようやくスタート地点に舞い戻った。寝つきが悪く睡眠不足で疲労はたまっていたが、高山病になることもなく無事に帰還することが出来てホッとした。予想以上に楽しかったが、1年分くらい歩いたような感覚でもうトレッキングはいいかなという感想。しかし、ゲストハウスに戻ると新たな宿泊客がトレッキングの相談を宿の主人としていた。また直ぐにガイドのBednidhiはトレッキングに出かけるのか?仕事とはいえ「ネパール人、恐るべし」である。



<オマケ画像>

ワタクシは決してロリコンではありませんが、
思わず「連れ去りたい!」とイケナイことを
考えてしまった美少女。チベット人っすかねえ?




















カトマンズの街角にて。蓑虫かい!?























同じくカトマンズにて。ブラブラしている時に
凄い視線を感じたので何だろう?と思ったら、
自分の前を歩く母親に抱っこされた子からの
ものであった。お前、何者?みたいな表情
だったが、そっくり同じセリフを返してあげたい。


















これは人ではなくて、死人ですね。
ネパールは、世界で唯一ヒンドゥー教を
国教としているのだが、ネパール最大の
ヒンドゥー教寺院・パシュパティナートにて。
このあと遺体を燃やして、灰を川に流します。
墓を作らないのは、輪廻転生を信じているから
なんだとか。

















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