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COLUMN
歩道

2001.10.11


福岡の都心の街並みはレンガ並木になっているところが多い。僕は長い間天神で働いていたが、ちょうどバブル期に工事は全盛でそのレンガが足りないという事態が起きるほどでだった。工事には必要以上に長い期間を要して、その間の歩行者は車道を通ったりする。
工事中地面を掘って配管工事などもやっていた。工事中の地面をみると土が見えた。天神の歩道や車道の下に土があることに奇妙な違和感を覚えた。
やがて気がついてみると殆どの歩道がレンガ歩道になった。見た目にすごくお洒落でキレイになった。しかし、よく滑る。革靴を履くことの多い僕にとってはなんだかスケートリンクの上にいるみたいだった。靴底がゴムであれば良いのだが、革のときは何度も躓きそうになった。ちょっと高価な靴に限って、革底だった。地下街から上がって歩道に出ると途端に滑る。危険を回避するためにいろんな場所を歩いたり、力の入れ具合を変えたりしたが、とにかく滑った。なんとか対策を立てて、改善に努めた結果、そうした革靴の靴は雨天時履かないことにし、靴底がゴムのものを履くことにした。ホーキンスの靴がお気に入りになった。
歩道や街並みの見栄えだけを考えたレンガ並木をお洒落に歩くにはまず足元から。靴底が磨耗してると歩けないのでグリッピングにも気をつけて、いわば雪山を走る車のように。アスファルトのほうが歩きやすい。こんな歩道に誰がした。雨の日はご用心。

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