池谷・張彗星 C/2002C1
今から30数年前、池谷・関彗星が長い尾を引いてやってきた。
高校生の私は、早起きして、ある朝、近くの荒川放水路の土手に出かけた。
天文雑誌の写真のように池谷・関彗星が見えると思っていたのだが
白みはじめた東の空には、それらしきものは見あたらなかった。
天体写真の知識に乏しいその当時の私は、彗星が雑誌の写真のように
明るく見えると勝手に思いこんでいたのである。
結局、池谷・関彗星は、雑誌の中で見ただけ…。
あれから30数年、 懐かしい池谷 薫さんの名前が天文雑誌を賑わした。
天文少年が見るこのできなかった幻の池谷・関彗星を
懐かしい名前のついた池谷・張彗星にダブらせながら
追ってみることにした…。
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千葉県 勝浦市 2002.3.16
尾を真上にたなびかせた池谷・張彗星が夕暮れの西空低空に短時間見ることができた。
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福島県 田島町 2002.4.7
(右下はM31アンドロメダ銀河)
4月初旬、夜明け前の北東の低空でM31と接近。
栃木県から福島県へ深夜の大移動を経て
M31とのツーショットを撮影することができた。
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栃木県 矢板市 八方ヶ原 2002.5.2
尾は短くなっていた。
結局これが最後の写真となった。
写真は全てVixen FL80S(640mm)にBorg 0.85倍レデューサーをつけて撮影