アイソン彗星(ISON)
C/2012S1

「史上希に見る巨大彗星になるか?」
「世紀の大彗星になるか?」


ここのところ月刊天文誌には毎号、特集記事が組まれています。予想通りの大彗星になることを期待しながらアイソン彗星を追ってみます。



 2012年9月21日(世界時)、ベラルーシのヴィタリー・ネフスキー(Vitali Nevski)とロシアのアルチョム・ノヴィチョノク(Artyom Novichonok)は、国際科学光学ネットワークの40cm反射望遠鏡を用いた観測で、かに座方向におよそ19等の彗星状の天体を捉えました。発見時、この天体にはわずかに拡散したコマが認められましたが、その後の複数の確認観測により彗星と確定され、「アイソン彗星(C/2012 S1(ISON))」と命名されました。アイソン(ISON)は、発見者が所属する国際科学光学ネットワーク(International Scientific Optical Network)の略称です。 (国立天文台のホームページより引用)
2013.10.14
まだまだ暗く、口径5cmの双眼鏡では全く確認できなかった。

2013/10/14 AM 4時10分〜(4枚合成)
露出2分  ISO3200 
VIXEN R200SS(800mm)
NIKON D5100

千葉県勝浦市

2013/10/14 AM 4時38分
露出2分  ISO3200 
VIXEN R200SS(800mm)
NIKON D5100

千葉県勝浦市

右下で明るく輝いているのは火星


2013.11.2
2013/11/2 AM 3時47分〜(4枚合成)
露出2分  ISO3200 
VIXEN FL80S(640mm)
NIKON D5100

愛知県北設楽郡東栄町御園



 今回は鏡筒を口径8cm 焦点距離640mmの屈折に変えたため前回との比較はできないが、明るさは、それ程変化していないような印象。さらに鏡筒径が短くなったこともあるのか、接眼レンズごしに見ても、相変わらず確認することができなかった。1ヶ月後の最接近時に果たして期待通りの大彗星になるのだろうか?


2013.11.9
2013/11/9 AM 3時39分〜(4枚合成)
露出2分  ISO3200 
VIXEN R200SS(800mm)
NIKON D5100

千葉県勝浦市
比較のため鏡筒を10月14日と同じVIXEN R200SS(800mm)に戻して撮影した。8cmのガイド鏡でも依然として眼視での確認はできなかった。撮影画像で見る限り若干明るく尾が長くなってはいるが劇的な変化は今のところ感じられない。

2013.11.29
崩壊・蒸発!
 11月29日午前4時(日本時間)ごろ、アイソン彗星は近日点(太陽に最も近くなる位置)を通過。世界中の人々がSOHOの画像を見守る中、SOHOの太陽遮蔽板から顔をだした近日点通過後のアイソン彗星は輝きが失せていた。NASAによると「アイソン彗星は崩壊・蒸発…」とのこと。予め予期していたとはいえ数千度という太陽の熱エネルギーにアイソン彗星は耐えられなかった。最悪の結末となってしまった。


SOHOSolar and Heliospheric Observatory、太陽・太陽圏観測衛星の画像)時刻は世界時
中央の白い円が太陽の大きさを示しています。

2013.12.1
SOHOの視界から消えていく…
 12月1日(日本時間)アイソン彗星はSOHOが映し出す画像から消えていってしまった。


右下の写真はアイソン彗星が視界から消えていった画像であるが、その後、数時間は画像が更新されなかった。