2003 火星日記

5万7千年ぶりに地球と火星とが大接近した。8月27日に地球に最接近し、少しずつ遠ざかっている。機材の関係から惑星の写真撮影の経験はほとんどなかったが、歴史的な火星大接近の様子を追ってみることにした。



初めての火星写真撮影


7月5日


2003.7.5  26:00 福島県・磐梯吾妻スカイライン
Vixen ED102S LV10mm Nikon Coolpix 995


8月27日の火星大接近に向けて、デジカメでの火星撮影の練習を兼ねて磐梯吾妻スカイラインにある浄土平に出かけた。 デジカメのモニターでは大気によるボケなのかぼんやりとしか見えなかった。上部の赤、下部の青い部分は大気の影響による色収差の影響と思われる。上方の白く明るい部分はドライアイスの部分(南極冠)であろう。火星特有の模様は眼視でもはっきとは見えなかった。低高度による大気の影響と口径10cmでは、この程度なのだろう。さらに焦点距離の短いアイピースにすると拡大できるのだが10cmではこれ以上倍率をあげても解像度がよくなるわけでもないだろう。                   



7月26日

2003.7.26 26:30 岩手県 八幡平
Vixen ED102S LV5mm Nikon Coolpix 995

北海道旅行の帰り道に過去に何度か訪れた八幡平に寄ってみた。
接眼レンズを5mmにし、露出時間は15分の1秒とした。8分の1秒だと明るすぎて暗部がとんでしまう。デジカメは、その場で適正露出がわかるので便利である。




8月2日


2003.8.2 24:30  千葉市花見川区(自宅)
Vixen ED102S LV10mm Nikon Coolpix 995

接眼レンズを10mmに戻して梅雨明けした自宅ベランダで撮影してみた。露出時間は1/30秒。惑星の撮影は都会の明かりを気にする必要がないので具合がよい。これからしばらくは月明かりがあるので、暗い郊外へ行く意味がなくなるので、自宅ベランダに望遠鏡を据え付けての観察と撮影となった。


8月3日


2003.8.3 24:30 千葉市花見川区
Vixen ED102S LV2.5mm Nikon Coolpix 995

接眼レンズを2.5mmにし、デジカメの拡大を光学域の最高倍にとどめデジタルズーム域にならないようにしたことにより幾分か滑らかな画像となったが、10cm口径の限界か、解像度はあがらない。


8月7日


2003.8.7 24:10  千葉市花見川区
Vixen ED102S LV5mm 2×テレコン使用
Nikon Coolpix 995

接眼レンズを.5mmにし、2倍のテレコンバーターを介して撮影してみた。


8月10日


2003.8.10 24:30  千葉市花見川区
Vixen R200SS LV.2.5mm Nikon Coolpix 995

光軸調整にだしていた20cmニュートン反射鏡が戻ってきたのでテストを兼ねて撮影してみた。風が強く薄雲ごしのためか解像度に大きな変化はみられなかった。
今回は4枚の写真を合成してみたが画像に大きな変化がでなかった。


8月21日


2003.8.21 23:50 栃木県・日光市
Vixen ED102S LV.5mm Sony TRV10
今回は130コマのビデオ映像を初めてRegistaxで画像処理してみた。海外のフリーソフトのため使用法がよくわからない状態での処理のため、このソフトの能力がどれほどでたのかわからない。今までのデジカメ画像とは異質な結果となった。南極冠(上部の白い部分)は夏を迎え、一頃より小さくなってきたように見える。

8月23日



2003.8.23 24:50
千葉県・千葉市花見川区
Vixen ED102S LV.5mm Sony TRV10
今回も通常のビデオカメラによる映像をRegistaxで処理したあとPhotoshopで色彩を調整した。画像はトリミングしてある。


8月25日


2003.8.25 26:00
千葉県・千葉市花見川区
Vixen ED102S LV.5mm Qcam Pro 4000
Webカメラでの惑星撮影の記事が天文雑誌に載っていた。早速Qcam proというWebカメラを購入し試してみた。オランダのフィリップ社製のものがよいらしいが国内では販売されていないし製造中止とのこと。望遠鏡に取り付けやすいよう改造して初めて撮影したビデオ映像をRegistaxおよびPhotoshopで画像処理後トリミング。57000年ぶりの大接近まであと2日。今夜と明日は関東地方は前線の影響で星空は期待できない。これが接近前の最後の写真となるかもしれない。

Webカメラをつけての撮影機材の様子。
Webカメラを分解し望遠鏡の接眼部に取り付けられるように木の薄板でアタッチメントを作った。デジカメアダプターとの併用で、光軸調整もネジをゆるめることにより可能。板とカメラの接着はエポキシ樹脂接着剤を使用した。


火星
大接近の夜

8月27日



2003.8.27 25:45 福島県・磐梯吾妻スカイライン
浄土平駐車場
Vixen ED102S LV5mm テレコン×2使用 
Logicool Qcam Pro 4000
7月6日から始めた火星大接近の撮影であったが8月27日の地球への最接近でクライマックスを迎えた。東北、北海道以外は前線の影響で曇りか雨という気象情報であり断念していたが「この最接近に立ち会わないと悔いが残る」と思い、機材を車に積み込み北の空を目指すことにした。栃木県にさしかかった頃青空が見え始め、行きつけの八方ヶ原へ行った。しかし、夕方から厚い雲がでてきたため下山。雲の上にでられるかも…との想いで福島県へ北上し浄土平に行った。中腹は霧がかかって見通しは悪かったが浄土平に着く頃には霧も晴れひときは明るい火星が空高く昇っていた。通常は夕方店じまいするレストハウスも今夜は特別に深夜まで営業していた。今回もQcam ProというWebカメラで撮影した。1600mの高度のため空気が澄んでいるためか、露出不足のためか、または倍率を無理して上げたためか原因不明だが火星特有のオレンジ色にならなかった。しかし、接眼レンズを通した私の目にはこんな感じの色に見えたことも事実である。





8月30日


2003.8.30 24:10
千葉県・千葉市花見川区
Vixen ED102S LV.5mm Qcam Pro 4000
大接近から3日過ぎた。大接近を迎えるまでは日増しに明るさと視直径が増していく楽しみがあったが、今後は、どんどん明るさも視直径も減っていくばかりであり、関心も薄らぎつつある。Webカメラは粘着テープで貼り付けただけの簡単な取り付け方であったが薄板を利用してしっかりと取り付くように工夫してみた。




2ヶ月近くにわたり、「にわか火星狂い?」となり火星の写真を撮り続けてきたが、8月27日の地球への最接近で一段落となった。デジカメに始まり、普通のビデオカメラ、そしてWebカメラと機材を変えての撮影となった。どれも初めての経験であり未消化のうちに大接近が終わってしまった。鏡筒も3種類。接眼レンズもその都度変えたため、火星像の大きさの変化が表現できなかった。Registaxというビデオ映像の処理ソフトを使用してみたが、十分使いこなすまでにはいかなかった。惑星の写真は高倍率になるため、地球の大気の影響で撮影が難しいことも実感した。






でも、まだまだ…

大接近から9日過ぎた。大接近の前までは新聞やテレビで時々報道された火星も全く報道されなくなった。ハレー彗星の時もそうだったな…。
火星は少しずつ早い時刻に見えるようになってきている。日が暮れて間もなく東南の空に見えています。午後10時ころには南の空高く昇っています。このページをご覧になった方で「まだ肉眼で見ていない」という方は是非1度ご覧になってみては…。一際明るくオレンジ色に輝いているので、すぐにわかります。



9月5日



2003.9.5 21:42 千葉県・千葉市花見川区
Vixen ED102S LV.2.5mm Qcam Pro 4000
久しぶりの星空の週末、北東からの風で南向きのベランダへ風の影響もなく、夜更けまで火星を眺めて楽しんだ…。
接眼レンズを2.5mmに変更。テレコンバーターをはずし、シンプルな構成で撮影してみた。




南極冠はいつまで見えるのか?…。


火星はどんどん遠ざかっている。今は、地球の北半球が夏であるのと同じに、火星の南極も夏で氷(ドライアイスといわれている)の部分が融けて小さくなっている。火星が見えている間にその変化の様子をもうしばらく追ってみたい…。



9月6日


2003.9.06 22:40  千葉市花見川区
Vixen ED102S LV.5mm Nikon Coolpix 995

天気予報では関東地方は夜は曇り。予報に反してぼんやりながらも火星が見えた。いろいろと撮影方法を変えてきたが、大接近が過ぎ、大きさの変化を比較できるようにトリミングなしとした。デジカメの光学最高倍率で撮影。





9月9日


火星の大接近

日没後、まだ明るさの残る東南の低空に月と火星が接近して輝いていた。月のすぐ左下に輝く火星は、時間とともに月に接近し午後8時過ぎに最も近づきその後だんだんと離れていった。月と火星の明るさが違うため、撮影がむずかしいが、3つの表情を追ってみた。月と火星の視直径の違いが実感できた。



「幕張メッセビル群上空の月と火星」

火星に露出を合わせると月の部分は露出オーバーとなってしまう。
{月の左下の小さな点が火星}
2003.9.9. 19:11  千葉市美浜区(幕張メッセ)Nikon Coolpix 995
「月の南を通過する火星」その1

宇宙の広さが感じられませんか?

2003.9.9  20:28  千葉市花見川区
Vixen FL80S LV20mm Nikon Coolpix 995
「月の南を通過する火星」その2

2003.9.9  21:14  千葉市花見川区
Vixen FL80S LV5mm Nikon Coolpix 995



9月14日

ちょっとひとやすみ 土星


2003.9.14  25:32  栃木県・矢板市・八方ヶ原
Vixen ED102 LV5mm Qcam Pro 4000
Qcamの撮像画面にゴミがついたのか、使い物にならない状況のため、2台目を購入。テストを兼ねて栃木県へ向かった。しかし天候が悪く、車中で天候の回復を待って仮眠.。目が覚めると火星が輝いていたが西の山の端へ消える直前だった。撮影準備の間もなく山のかげに姿を消した。機材を片づけようと思い、ふと見上げた東の空にはオリオンに続き土星が昇ってきた。火星撮影で積み上げたノウハウを土星に向けて試してみた。深夜の星空は早くも秋の星空へと移っていた。




9月16日

火星が欠けてきた?


2003.9.16.23.32 千葉市・花見川区
Vixen ED102 LV2,5mm Qcam Pro 4000
薄雲がある空だが風も弱く、大気による揺らぎが少ないようであった。ひと頃はまん丸だった火星だが、幾分細長くなってきた。左側が欠けてきたように見える。


9月17日

2003.9.17.21.12 千葉市・花見川区
Vixen ED102 LV2,5mm Qcam Pro 4000
今夜の火星は昨夜と比べて大気も安定していたためか、模様がよく見えた。



9月22日

2003.9.22.21.00 千葉市・花見川区
Vixen ED102 LV2,5mm Qcam Pro 4000
台風が関東地方に接近し、久しぶりの星空となった。火星は台風一過の好天で透明度は高いが、上空の大気が安定せず、画像がかなり乱れていた。下の画像は同じ撮影条件での日周運動の様子。


21時03分 22時45分 23時45分 25時00分
火星の自転による模様の移動(2003年9月22日).






パソコンが流行のウイルスに冒された。

ウイルスの駆除はすぐに行えたが、その際、パソコンを初期化

したため、パソコン内のHPのデータが失われ、復旧に手間取って

2ヶ月近くこのHPの更新ができない状況が続いてしまった。

久しぶりの更新である



11月2日

久しぶりの火星写真は土星との比較

火星 2003.11.2. 20:25 土星 2003.11.2 26:22
Vixen ED102 LV2,5mm(左 火星)  LV5mm(右 土星) Qcam Pro 4000
火星と土星の比較のために火星の画像はトリミングなし、土星は2倍の大きさで貼り付けてみた。左の火星は2,5mm 右の土星は5mmの接眼レンズを使用しているため火星と土星の大きさを比較するため土星を2倍の大きさに拡大した。
秋も深まり、冷え込んだ学校平での撮影。さすがに標高1000m近くの高原は空気が澄んでいるためかクリアーな画像となった。




火星の写真を撮り続けて思ったこと



○Webカメラとレジスタックスはなかなかのものだが使い方次第

で全く違う画像になってしまう。ほどほどにというところか…。

○空気がないと困るけど空気のないところで星を撮影したい。

○偏西風が大気を乱し、惑星の撮影に悪影響を及ぼす。



日本列島上空の偏西風が影響を与えているといわれる。

撮影機材や技術以上に大気の状態で画像の良否が決まるようである。



火星が遠ざかり、眼視でも一頃の輝きがなくなってきた。

日が暮れて星々が見え始める夕方には既に西に傾き始めている。

楽しませてくれた火星大接近も終わりということか…。




これからは夜更けに昇ってくる土星と木星が撮影好機となる。



これからは土星日記・木星日記かな?




12月14日


お久しぶり、だいぶ遠くになってしまいました。


久しぶりに火星を撮影してみたが、かなり小さくなっていました。



2003.12.14千葉市花見川区(自宅)
Vixen ED102 LV2,5mm Qcam Pro 4000



火星日記 おわり