![]() ミルフルール・フラワーデザイン (ブーケ、花の教室) 6月号 一雨ごとに紫陽花が色づいてまいりました。 英語ですとhydrangea<ハイドレンジア>と呼びますが、 hydro が水の意味ですので、水、つまり雨を呼ぶ花ということで、 この6月を代表する花です。 水揚げがあまりよくないので、切口を燃焼させるといいです。 公園に出かけるとよく見かける植物ですが、切花になると 1本でもかなり高価な花になります。 むしろ、鉢植えで出まわってることの方が多いです。 紫陽花の花に見えている小さい一つ一つは実は花を守る、額の部分が発達してできたものです。 花はその中でぱさぱさしている芯のようなところになります。 花の部分が地味なものは、虫や鳥を呼び寄せる為、花とは別の部分、たとえば、額とか、葉が 発達するケースがよくあります。 雨のしとしと降る日に本当によくこの紫陽花は色鮮やかに人の心をひきつけます。 紫陽花の大きなまん丸の葉っぱに蝸牛が乗っかっていたら、シャッターチャンスですね。 枝、花、葉、植物すべてに表と裏があります。 花や葉の裏表は分かりやすいですが、枝はご自身で角度を持って翳してみて確認します。 伐採されたまま真っ直ぐバケツの水に浸っている枝も本来は太い幹から右に左に光を求めて 四方八方に延びていたはずです。 真横に延びていた枝は上の方が陽表、下の方が裏側になります。 枝に付いた葉がやはり太陽の光を求めて成長しますので、その葉をみて判断します。 生ける際にも、陽表の側を生け手の方、つまり正面に向けるよう留意します。 枝物を用いると、その質感のもつ独特の力強さで、作品が締まった大変立派なものができます。 枝ぶり、といいますが、その枝本体の持つ流れをうまく利用できると、それだけで作品になって しまうといっても過言ではありません。 もともと大きな木の一部ですから、生ける際も大きく生けます。枝落としをしたものをこまごま 生けることはまずしません。大きな植物の一部であったものを生けるときにはそれが主体に なるのですから余分な枝がたくさんあるはずです。 なので、すっきりした仕上がりにする為に どんどん枝を間引く必要があります。 また花束をつくるときでも枝物が入るとより豪華さかが増します。 外国のデザイナーに”この枝ぶりがいい”と薦めるとき”枝ぶり”ではたと思ったのですが、 とっさに"good shape"と簡単に訳してしまいました。 もっと厳かな英語はないでしょうか?…・ |