Mille Fleur Flower Design 通信 vol6. Decミルフルール・フラワーデザイン (ブーケ、花の教室) 12月号 テレビでは毎日のように北朝鮮の事が話題となり、 そこに暮らす人々の生活も明らかにされております。 今年の冬いったいどのくらいの人が苦しい生活の犠牲になり、 どのくらいの人が生き残れるのでしょうか…。 日本ではもう今は昔の話になってしまいますが、 冬を乗り切るということは、家族にとって 大変なことでした。 陽ざしもなくなり、食物も数少なく、 なんとか知恵を働かせて生きていかなくてはならない 必死のことです。 ヨーロッパの人々にとっても クリスマスの訪れは生と死のまさにぎりぎり境界線での 儀式でありました。 ツリーをかざり、キリストの降りて来られるの待ちます。 アドベントリースなどでクリスマスの準備はちょうど1ヶ月前から始められます。 最初にツリーにかざられたのはろうそくでした。ろうそくは人々の魂の灯火を意味し、炎を 絶やすことのないように努めます。炎が消えることは魂の消滅をも意味するのでした。 赤いりんごが飾られると、子供達はクリスマスがきたら食べましょうとさとされ、クリスマスを 楽しみに待つのです。 そうして、家族の幸せや、春の訪れ、来年の豊作を願います。 今年もぱっちんぱっちん常緑樹にはさみを入れ、すがすがしい香りに包まれながら、リースを 作ります。 終わりのない永遠のシンボルのリースのデザインは生命を繋いでいく悦びです。 花供養という法要が4月にあります。 いつも切ったり、折ったりしている、草花に対しての 供養というのは日本人特有の感慨深い風習です。 花屋さんにきれいに並べられている切花を買って、あしらいをしている日常ではややもすると この目の前の花々が何日か前まで、大地に根を張り、葉もたくさんつけていた植物であった ことをつい意識の外に置いてしまいます。 刈られるところを幸いに目にしていないだけです。 切られても尚行きようとしている花々をやはり私たちは、生命を預かっているものとしての プライドを持ち、仕事をしていかなければなりません。 花は咲いているだけでも可憐であったり、美しいものですが、それを敢えて切って生ける意味 を見出す為、花の持っている要素を自分の目で一つ一つ分解して理解し、再構成していきます。 それは、植物の持つ本来の曲線、直線、塊、色、質感、全てです。 花、葉、茎、全てが何かを 語っています。無駄にすることのなく、あるときは大胆に間引き、これだ!というエッセンスに 着眼します。 だから、決して、花は野にあるように…ではないのです。 花の美しさには心をうたれますが、感動する自分のほかに、その美しさを冷静に分析し、 客観的に判断する別の自分を認識しながら、花を生けます。 |
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