Mille Fleur Flower Design 通信 vol8. FEBミルフルール・フラワーデザイン (ブーケ、花の教室) 2月号 ぼちぼちと梅の便りが聞こえてきました。 華やかな桜の花見もいいですが、寒さの残る中での梅の花見は 厳かでとても好きです。 花一つ一つは強い香りは持ちませんが、風がとおりすぎたとき ふ〜っと感じさせるほのかな梅の薫りを楽しむのが、風雅な気分になるのです。 2月は植物の成長が加速される時期です。まだ枯れ枝とおもっていた庭の桃の木も 気が付けば、1mもの新芽がそれぞれ延び、春への準備が進んでいました。 お客さんとの打合せで、電話やメールでのやりとりが一番困難なのが、色味についてです。 薄いピンク、濃いピンク、といってもどのように濃いのか薄いのか、慎重にモニタリングしても 実際いらしていただいて、最終打合せした時、このピンクは赤みが濃い気がする、とか もっとパープルがかってる感じで…というように、その人その人のバックグラウンドで受止め方が 違ってきます。また同じ花の写真を見てでさえ、微妙な中間色の花ですと、私にはオレンジよりに しか見えないのに、ピンクっぽいとはなされたり、お互いの認識を調整する作業もあります。 絵の具と違って、お花の色はヴァリエーションも広く、出荷の季節によって 同じ花でも、ワイン色から赤っぽくなっていく花、咲いてるいく過程で、半開きの時はほんのり ピンク色だったのに、全開するとくすんだ茶色になったりする花と、厳密にいうと、1つの花の色に ついてさえ定義することは非常に難しいです。 レッスンでも、無作為に色のサンプリングを30種類程度とり”好き・嫌い” ”暖かい・寒い” ”弱い・強い” と感じる色を順に表にならべていく作業をしてもらう機会がありますが、できあがる 表が10人いれば10人違った、おもしろい結果を示します。 出来あがった表は、何となく自身の全精神をあけすけにさらけだされているようで、他の人には 見られたくないような気持ちになるのもとっても不思議です。 西欧で黄色が卑怯な色として、言われることもあるそうですが、お国がかわって、中国では”幸せ ”幸せの黄色いハンカチ”といわれるように、幸福の象徴になるのですから色はそれだけ文化的 な産物と言えるのです。 さて、お花を生ける際の色の効果については何度かふれてきましたが、まず、失敗がないのが 単色のグラデーションでいける、(つまり、赤っぽい花を集めていける、青っぽい花を束ねてみる、) というのはまず、安心してみれるコンビネーションです。 そして ひとつひとつの形状が分かるように、より表情の違う花をあわせるとメリハリがついて きます。 次に色味の違うものどうしの生け方ではトーンを統一させることです。パステル、 ヴィヴィッドと統一させることによって、まとまります。 似た色どおしの組合わせですと違和感が生ぜず馴染みやすいですが、、 コントラストの強い補色 の組み合わせは刺激的です。 どちらかの色が控えめになり、相手の色の引立役に徹することに よって、成立する組合わせです。 人と人との関わりと全く一緒ですね。 |
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