Mille Fleur Flower Design 通信 vol7. Decミルフルール・フラワーデザイン (ブーケ、花の教室) 1月号 寒さはこれからが本番なのでしょうが、1月を迎えると 新春というだけで、もう春がそこまできているような うきうきした気分になります。 12月と1月の境目ってそれだけ気分的に大きいものです。 いまがチューリップの全盛期です。 たっぷり楽しめるのも3月頭ぐらいまでで、それ以降 暖かくなり皆がコートを脱ぎ出す頃にはいつのまにか 姿を消してしまいます。 チューリップは百合科の仲間で 花びら1枚1枚は シルクのようなつややかさをもち、水分量も多く しっとりしてますが 暑さには弱く、すぐぺったり薄くなってしまいます。 空気の冷たい今のシーズンでしたら、1週間は花もちしますから、玄関に飾ってぴょこんとお辞儀してもらっては いかがでしょうか? 一重のチューリップはもちろん、八重咲き、パロット咲き、フリンジ咲き、百合咲き、形状もいろいろ あって、一目でチューリップと分からないものもあります。 茎もつややかで、矯めが効くので、思いどおりの線を生かしたデザインが可能ですが、一晩たつと、あらら、花が全部窓の方を 勝手に向いてしまい、違った形になってしまいますので、それを楽しむもよし、そうでなければ、茎と茎とを動かないように 固定させなければなりません。 胴の長いチューリップは前からみても、横からみても、おしりのほうもいろいろな表情をみせてくれる 貴重な花材であります。 お花を生けるという前提では必ず器と花との関係が生まれてきます。 基本的な比率としては器 : 花=1 : 1.5〜2 を頭にいれて、生けるとつりあいがとれます。 けれどもそれはあくまで一般的な話しであり、花と器の比率はどちらが主体になるかによって、決まります。 器は人工的な造形物であり、花は自然の産物であります。 もともとが相性が異なるものを組み合わせようとするのですから、 慎重な計算がなければ、お互いが反発しあい、違う力がめいめいに働き、一体化した姿が目に映らなくなります。 違った性格のものをひとつにまとめるためには、どちらかが一方に従属させる必要があります。 片方が、他方のために控えめにまわることによって、なじんでくるのです。 主従関係はボリュームばかりでなく、色彩的にもデザイン的にもそうでなければなりません。 器から花への流れの調和も大切です。縦長のアウトラインのアレンジにはやはり縦長の器、まあるいアウトラインの アレンジにはこっくりと丸い形の器が視覚的に安定感があります。 逆に特徴の際立った、器を利用する場合は花と器の関係が逆転します。 器のシルエットが際立っていたり、特別な絵柄があしらわれていたり、造形的な器の場合には花は添えられる程度の 存在になるのです。 |
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