Mille Fleur Flower Design 通信 vol4. Octミルフルール・フラワーデザイン (ブーケ、花の教室) 10月号 10月に入り秋も深まってまいりました。 秋をテーマとするならば オレンジ、赤系の花色に実物を入れこむと 分かりやすいアレンジに仕上がります。 さんきらい、つるうめもどき、ほおずき、柿の実、などのアイテムを 添えるとよりいっそう日本の秋の雰囲気の味わい深いものが生まれることと思います。 色の好みは十人十色ですが、民族の遺伝子レベルで認識される色の効果というものが別にあり、 それを理解し利用すると伝えたい内容をうまく表現できます。 「コーヒー店は緑色の看板にするとよりおいしそうに目に映る」…とか商業的にもいろいろ取り入れられています。 秋色、という点で考えると、日本人は京都に代表される、美しい紅葉を連想し 赤 オレンジがすぐ 頭に浮かんできますが、ヨーロッパのアーティストにいわせると秋色はマロン色、つまり黄色、茶色なのだそうです。 植生がちがうので、真っ赤に染まる日本の秋山は、他国の人々にはなんともいえぬ錦色に目に映ることでしょう。 グリーンと呼ばれ、引立て役にまわりがちな葉物ですが、この時ばかりは、一気に主役の座に踊り出ます。 おかげでこの季節のショーでは3日3晩早朝から夜になっても ひたすらきれいな落葉だけを求め、数十袋分拾い集め、 それでも足りなく木に登って揺すって振り落としたり、そんなこともありました。 アメリカの花屋さんではアメリカらしい合理主義で、アレンジをするのにも、下っ端は カスミソウをいれるだけ、とか作業が分担されているとききますが、お花を生ける,そこに至るまで いろいろな仕事が発生します。 その一番最初の入口が水揚げです。 一見地味ですが、本当に大切な作業であり、アレンジの良し悪しは この水揚げにかかっているといっても過言ではありません。 仕入れ後、出きるだけ早く、下葉を取り除き、ナイフで斜めに茎下最低5cmは切落し新しい茎を見せます。 ナイフも新しく切れ味のいいものが花に負担を掛けません。 はさみでは挟み込むとき、茎の中の導管をいったん潰してしまうので、離した瞬間そこから空気が入って 水を揚げにくい状態にしてしまいます。 この水揚げで一週間お花の持ちに違いが出てくる場合もあります。 |
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