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COLUMN
とらお

2001.10.28


福岡には秋になると放生会(ほうじょうや)というお祭りがある。僕の家から車で5分くらいの東区は箱崎宮にて毎年9月に開催される。最近ずっと行ってないが、そこには昔懐かしい、綿菓子やトウモロコシ、お面などたくさんの出店が並ぶ。その中に幽霊屋敷があってその隣に『世にも奇妙な…』というテントがでていた。入ったことがないのでわからないが、見世物小屋のような感じで半漁人とかそんな感じのアナウンスでそれだけを聞いていると非人道的なもので、入ろうとも思わなかった。
TVを観ていたら、『トラ男』というのが始まってしまった。決して観たい種の話ではなかったので、どうしようかと迷っていると遂に目撃してしまった。
ロスアンジェルスから南へ300kmくらい離れたところに暮らしているというその男性。家をみると玄関から「トラに注意」等と表示したりと、かなりトラへの憧れがあるらしく家中トラだらけ。猫まで大きなトラのようなドラ猫。問題の人物。驚いてしまった。体中にトラ柄の刺青。顔は整形に整形を重ね、耳を尖らせ、花は開き、口の上には金属の道具を埋め込み、そこからヒゲを付ける。目は特注のコンタクト。シリコンを埋め込んで、トラに変身。僕には赤塚不二夫のニャロメのようにみえたけど、本人はトラになりきっている。この人はトラになりたいのだ。なんでも1万ドルを超すような手術をして、まだ改造したいといっていた。尻尾をつけてトラの毛を植えたいと。トラになった自分に酔っていた。いわば究極のコスプレとも言える。
先日、妹の娘Yちゃんが家に遊びに来たときに、宇宙人みたいな格好で現れて、度肝を抜かれた。返す言葉がない。なんと言っていいのかわからない。Yちゃんにきくととても気に入っていて、どうしても僕にそれを見せたかったという。嬉しいふりはしても、これをよその家でやられるとどうだろう。決してコスプレを否定するわけではない。僕もチャイナ服を着ると嬉しいし、好きではないが最近の浜崎あゆみのCDジャケットに尻尾のついた豹の格好したものもあった。
何をするにつけ、自分自身が納得できるか、後悔しないことが大事だと感じた。

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