COLUMN | ||
スポーツ・クラブ | ||
2002.7.23 |
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ある日細君がスポーツクラブへ通うと言い出した。何故歩きもしないのにそんなことをするのかと尋ねるとどうやら私が原因のようだ。出産して1年半が経ち、お腹が出てきたことに文句を言ったのが発端のようだ。娘も一緒にプールに行くと言い出し、僕も一緒に行こうと薦められるが、どうもこいでも動かない自転車や走っても前に進まない機械で運動するというのが理解できなかったし、人に薦められると一旦防御本能で反射的に否と答えてしまう癖がある。 しかしながら、良く知らないでそんな防御本能ばかりで意固地になるのは建設的な話ではなくあまりにネガティブで精神的に良くない。おまけに自分の健康状態を考えると20歳のころから車通勤、ほとんどデスクワークで事務所から一歩も出ないことも多々あって、殆ど歩かない生活を十数年続けてきた。フットサルをしようと誘われているが、ちょっと走ると汗だくだ。そう考え始めるといつのまにか自分の知っている全てのスポーツクラブに電話して資料を請求していた。その中で駐車場代の高いところやヤル気のなさそうなところは却下した。いろんなものを見るほどに違いがわからない。わかるのは場所くらいだった。安いところが良いがそれが全てではない。既に娘たちが通っているところに入会すると家族会員となるらしい。なぜそこに通っているかというと託児所があってそれで僅かな時間育児から開放されるというのもあるようだ。うちの近くには3ヵ所ほどスポーツクラブがあって他の2ヶ所はまだできて1年以内のとてもキレイなところで1ヶ所は塩水、もう1ヶ所は不老水という有名な良い水を使っていてかなり魅力的だ。いろいろ考え出すと面倒だし、休みの日に親子バラバラで別々なところに通うのも面倒なので同じところに通う方向で見学をすることにした。福岡では老舗的な存在なので中にガタがきていたり、従業員が昔若かったけどおじさんやおばさんでは困ると思ったし、継続しないことには3日坊主というわけにもいかない。職場ではデータ派とまで呼ばれ名を馳せた僕は情報収集には全力を尽くすのだ。 日曜日、はりきって午前中に出かけると駐車場はたくさんの車で混雑していた。この不景気こんなところへ来る人はイメージ的には少ないものだと思っていた。買収されるところも少なくない昨今だ。受付に行き見学がしたいと訪ねると受付をして何をしたいのかとかいろいろきかれるが、何ができるのかを知らない僕にとって何をしたいのかといきなりきかれる事由がわからない。まずはプールへ行くと何やらお姉さんが手を振っている。どうして僕に手を振るのかと恥ずかしさもあって顔を良く見ずに考えると娘に手を振っているのだった。色気に惑わされてはいけないと思いつつもそれは悪いことではないと評価の対象にはなってしまう。ショップがあってロッカーがあってスタジオがあってジムがある。スカッシュやテニスコートもある。ジムにスリッパで入ると何やらTVの前に人だかりでストレッチをしている。足の踏み場もない。ちょっと評価の下がるところだ。 一通り見終えるとあっさりチラシを渡され見学終了。今の世情でこれといって営業めいたことをしないのか、僕だったら申込を獲る前提で接するだろうし、入る前提で見にきているのに何の営業もない。しつこくされると嫌気がするが、何もその類の話がないのもどうでも良いようで味気ない。 データ不足で実際行ってみると何も教えてくれなかったり、馴染めなかったり、行きたくなくなったりするのではという思いから2日間の体験入学というのをすることにした。これは有料なのだが、これも会員を増やしたいという趣旨があるのなら、無料でたくさん来てもらうようにすれば良いのだが、それもバブル時の名残か、若しくはこれ以上増えても対応できない程許容範囲を超えているのかもしれない。受付に行くとロッカーで着替えてスタジオに行ってくださいと言われ、早速スタジオへ行く。いろいろと習う。まずはストレッチ。何をしたいですかとまたきかれる。こっちがききたい。ついに動かない自転車に乗った。これが実は心拍数を測りながらという画期的なものだった。目の前にはTVがずらりと並び、本を読みながらでもできるのだという。放置されていたこともあって20分ほどこいで映画に出てくるような複雑な機械へ。意外にもトレーナーがいろいろと教えてくれてほとんど全員が声をかけてくる。たくさんいる会員に殆ど全員声をかけ挨拶をし、会話をしているのに驚いた。2日目もいろいろな機械を試すが思いのほか、筋肉痛は無かった。2時間ほどやってそんな感じだ。これは前後にストレッチをたっぷりやるからだと感じた。いろんな面で自分で運動するのとは明らかに違いを感じ、良いと思え入会することにした。 入ってみると土日が終わる時間早すぎたり、いろいろ問題点もあるが、休館日など市内の他のクラブに行けたり、いつも大浴場にゆっくり入りサウナに入ったりと意外と楽しくできそうだ。山のようにあるTシャツも役に立つ。肝心な運動も体脂肪計や血圧・体重・脈拍を測りながら理論的に組み合わせた運動で納得して効果的にできそうだ。食欲も湧いてきた。スポーツクラブも1ヶ所に骨を埋める必要もないので他に変わっても選ぶのは僕だ。周りからはかなり反対もされた。本当に走るのとは運動量が違うとか人が多すぎて駄目だとか言われた。しかしながら、僕自身非常に満足していて反対されてもすぐには辞めれないし、辞める気もない。少なくとも体に悪いことだとは思えない。 徐々に慣れてきたので最近ではスタジオのエアロビクスなどのダンス系をやっている。これも、恥ずかしいとかいう気持ちが多少あったが、やってみるとものすごい運動量でそんな事を考えている暇や余裕は皆無だった。マーシャル・アーツやヒップ・ホップが最終的にやりたいので今はとりあえず準備段階という感だろうか。 |
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